#1.⭐️抑うつ状態



寝ることに困ったことのない私が、ある時、全く寝れなくなった。
心は闇の中に落ち、夜中に何度も目が覚めて、夢にうなされて、寝られない。おなかがすいたという感覚はどこかへ行って、見る世界は全てグレーになった。目の前の人とさえ心は交流できず、ベールの膜が張られて離れている感覚。明けても暮れても、自らを否定することと責めることしかできなかった。完全な、抑うつ状態。



日々の診療で向き合っていた病気。

それがどんな“感覚”なのか、初めて知った。


朝、末娘を保育園へ送り届けては、どこにも寄らずに帰ってきてただただ布団にもぐり込むことしかできなかった。気づけば外は暗く、体は気怠い。エネルギーはempty(空っぽ)。

いつもなら数十分でできる考えや判断が、2時間経っても3時間経っても殆どまとまらず、答えが出ない。携帯やメールのやりとりが全くできない。

思考を動かすと後悔と自己否定が襲ってくる。自分でも信じられないほど「ごめんなさい」が口ぐせになっていた。
なぜこんな風にと被害者の気持ちに落ち、自分を否定し、自分の行動を責め、何のために生きていたのかと、深く深く自らの闇に沈んでいった。

 

 

抜け殻のようになり何も出来ない中、毎日ただ時間だけ過ぎていった。けれども、どこかで、あきらめない自分がいてくれた。いつの日も明日には必ず少しだけ時間が進んでいるはず。私の、命の、時計というものが、何かひとつのサインを私にくれるはず。

 

 

 

当時布団から動けない私が、罪悪感や自己否定・自己不信を1ミリでも薄めたくて、藁をも掴む気持ちでやっていたこと…

空を見ること

朝晩の祝詞

自己肯定する文章を、違和感あってもとにかく言葉にして自分の耳で聴くこと

少し動けるようになったら 神社へのお参りと

その道中にゴミ拾いながら歩くこと 

缶やペットボトルを1つ拾うと胸の重さが一瞬少し軽くなった

 

 

おそわれる不安の中で、軸を見失い、誰かにすがるような想いを味わいながら、それでも明日に希望を持つという習慣は、

日の出のお陽さまのエネルギーで生命が動き出す感覚 を日々受け取り、大地にもう一度根付いて大自然と共に生きる感覚を呼び覚まし、

誰かのせいにしない、自分も責めない

自らの未熟さを受け入れ、

赦し、

2年の月日を経て今の私に『どんな人の中にも美しい光を見出す、その明るさと直き心』を与えてくれた。

『この世界の美しさを私は理解するのだ』と


『人の子の深さというものを私は受け入れるのだ』と


そして
『あるがままで完璧である』と


『全ては必要なことであった』と

 

 

うつは悪い病気ではない 治らない病気でもない

たとえ今がその中にいたとしても大丈夫

苦しい時間もダメなんじゃなくて、その時間を安心して通過できるように 

人生の宝物を拾いながら歩いていけるように

自分との絆を取り戻し、違う角度から見つめていくお手伝い

 

 

一人でも多くの人に宝物を拾って幸せになってほしい

向かい風があるから飛行機は離陸できる。向かい風を使って人生はシフトする

病は、新しい気づきや新しい視野を獲得し、器の大きな自分に変容するチャンス

 大いなる流れやタイミングの中、むしろ変容する事へ導かれた人かもしれない

 

…全ての人が安心して過ごせる世界になりますように✨